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短編小説・同行二人


同行二人 

 私は昭和六十一年、バブルの絶頂期に東京の麻布で割烹「一善」を始めた。始めたというよりは引き継いだといった方が正確かもしれない。割烹「一善」は創業六十年の老舗、二代目が経営していたが女将の体調が芳しくなく営業権を譲りたいという。最初に店の板長に白羽の矢が立ったが、板長にはその意志がなく、板長の下で二十年以上板前の修業を積んできた私にその話が回ってきた。三十坪の日本庭園と敷地面積百二十坪の店舗建物で条件は家賃月額二百万円、敷金二千万円そして営業権が三千万円。営業内容も解っているので良い話であるが肝心の五千万の資金がない。妻にこの件を話すと「こんなチャンスは二度とない」と目の色が変わった。結局、妻の実家から二千万円、「一善」の得意先の銀行から経営者の口利きで余裕の運転資金を含め、三千五百万円を借り入れすることができ、のれんもスタッフもすべて引き継いで開店の運びとなった。まさか自分の店をもてるとは夢にも思っていなかったし、この規模の店舗開店費用はいくら安く見積もっても一億円はくだらない。40歳での独立は私にとって幸運の一語に尽きる。

この小説は電子書籍化されました。
dokohutari.gif

 

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